HP Route Analytics Management System 5.20 / Traffic Analysis Add-On 5.20
リリースノート
2007 年 5 月
本書には、Route Analytics Management System (RAMS) アプライアンスバージョン 5.20 と Traffic Analysis Add-On バージョン 5.20 に関する重要な情報が記載されています。本書の情報は、他の文献では入手できない可能性があります。
このバージョンの新機能
インストールに関する注意事項
既知の問題、制限、および対処方法
修正されたバグと強化された機能
ドキュメントの訂正
サポート情報
ご注意
Route Analytics Management System 5.20
RAMS 5.20 の新機能と強化された機能は次のとおりです。
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分散型 RAMS: RAMS は、今回のバージョンから分散アーキテクチャをサポートし、これにより、ネットワーク管理の可用性と継続性が向上します。分散化により配置の柔軟性が高まり、GRE トンネリングが使用できないネットワーク環境もサポートされます。RAMS は、単一の統合型アプライアンスとしても引き続き使用できます。
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分散型 RAMS は、2 階層で配置される RAMS バージョンであり、次の 2 種類のアプライアンスで構成されています。
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Route Recorder (複数可)。地理的に離れたネットワーク領域を監視、記録し、ルーティングイベント発生時に警報を出します。
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Modeling Engine。Route Recorder やすべての RAMS 装置から取得したトポロジビューを合成する集中型アプライアンスです。ネットワーク全体を対象に、監視、分析、モデリングを対話形式で行うことができます。
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RAMS 5.2 では、複数の Route Recorder 装置を使用することでネットワーク上のさまざまな部分でのネットワークイベントを監視および記録することができます。分散 Route Recorder は、GRE (Generic Routing Encapsulation) トンネルを介してリモートでルーティングデータを収集するのではなく、インストールされている領域からローカルにデータを収集します。
集中型の Modeling Engine は、記録されたデータを各 Route Recorder から取得し、データのローカルな複製を保管します。Modeling Engine では、ネットワーク全体に関するルーティング情報を監視できます。また、Modeling Engine にアクセスすると、ネットワーク全体のデータを一元的に保管したり、構成内のすべての Route Recorder からレポートを取得できます。
各 Route Recorder は、1 つ以上のプロトコルドメイン全体を記録することも、OSPF などの 1 つのプロトコルドメインに含まれる別々の領域を記録することもできます。記録は、地理的な要件に従って別々の Route Recorder で行うこともできます。
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BGP ピアリングの管理の強化: 今回のバージョンから、RAMS での記録を停止せずに BGP ピアリングの追加、編集、削除を行うことができます。
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新しい XML-RPC API 呼び出し: 4 種類の新しい XML-RPC API 呼び出しが実装されました。これらの呼び出しにより、次のクエリーを実行できます。
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改善されたパスリストを返すクエリー。メトリック総数以外に、ソースからデスティネーションへの同一コストパスのリストが含まれます。
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アプライアンスのメモリ、ディスク使用率、CPU 使用率、その他のシステム統計の現状を示すリストを返すクエリー。
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システムの全 RAMS 装置の稼働状態リスト (各種記録プロセスの記録と書き込みの状態を含む) を返すクエリー。
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VPN 経路のリストを一度にすべて取得するのではなく、一定のまとまりごとに取得できるクエリー。
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Web インタフェースの変更: デイリーレポートが次の 2 種類のレポートに分割されました。
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正常性レポート。ネットワークの各装置の正常性を要約したレポートです。このレポートには、各種記録プロセスおよびそのデータベース、データベースの複製 (該当する場合)、SQL、RAID (該当する場合) のステータスが記録されます。また、正常性レポートには、各装置の監視対象ネットワークが階層状に表示されるほか、各装置に存在するライセンス情報も表示されます。このレポートは、すべての RAMS 装置で取得できます。
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ルーティングレポート。現在記録中の各 IGP ドメインに関する各種 IGP レポート (トポロジカウンタ、フラップしているリンク、フラップしているプレフィックス、アクティブルーター、取り消された監視リストプレフィックス) が出力されます。また、現在記録中の各 BGP ドメインに関する各種 BGP レポート (トポロジカウンタ、BGP 経路フラップ、プレフィックス冗長性の相違、AS 到達性の相違) も出力されます。マスター装置と Route Recorder 装置 (スタンドアロン装置を含む) でのみ取得できます。
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X/VNC GUI の変更:
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History Navigator に新たにズーム機能が搭載されました。コントローラ領域に、ズームイン、ズームアウト、ズームリセットの各ボタンが表示されます。
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オンラインモードへの切り替え時に表示される進捗レジスタに、より詳しいメッセージが表示されます。さらに、前回 GUI をオンラインモードにして以来発生したイベントに関して、分析を取り消すオプションも表示されます。
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[Traffic Reports] ウィンドウのステータスバーに [Go To Time] ボタンが表示されます。
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メインの GUI メニューで [Tools]、[Online Events] の順にクリックすると、オンラインイベントにアクセスできます。[7987]
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リンクをメトリック別に色分けするオプションが GUI に追加されました。[7942]
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[Tools] メニューの [Router Name Repository] を選択すると、GUI に表示したり、フィルターに入力したりするルーター名をカスタマイズできます。[Router Name Repository] に入力されたルーター名は、名前を伝達する IGP から取得されたルーター名であり、同じルーターの別のプロトコルのマップを表示するときに使用できます。[7702, 8375]
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[Tools] メニューの [AS Name Repository] を選択すると、GUI に表示する AS 名 (プライベート AS 番号の名前を含む) をカスタマイズできます。[8303]
- 根本原因分析機能と RIB 視覚化機能が次のように改善されました。
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ズームとスクロールの機能が追加されました。
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アニメーションコントロールパネルが着脱可能になり、ディスプレイの上下左右のどの部分にも移動できます。デフォルトでは、コントロールパネルは右側に配置されます。
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新しい [Network Summary] パネルは、ルーティングトポロジマップの隅に表示されます。このパネルには、表示対象の全プロトコルトポロジに関して、作動中/停止中のノードおよびリンクの数などの最新の統計情報が表示されます。履歴モードの場合、[Network Summary] パネルは、選択された時点でのネットワークの状態を表します。設計モードでは、ルーターやリンクの追加など、トポロジに加えられた変更を表します。[7693]
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ソースルーターからデスティネーションルーターへのパスの強調表示を要求する場合、同時に逆方向のパスの強調表示も要求できます。順方向のパスは黄色で、逆方向のパスは緑色で強調表示されます。両パスの全ホップの詳細は [List/Find Paths] テーブルに表示されます。以前と同様、ホップを選択すると、マップ上の該当するリンクが点滅します。[8071]
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[Recorder Configuration] の各 IGP プロトコルの設定セクションに [Save raw protocol packets] チェックボックスが表示されます。このチェックボックスを選択すると、Route Recorder でキャプチャされた生のプロトコルパケットが保管され、後で検索やパケットレベルの分析を行うことができます。記録の間、キャプチャされたパケットは、tcpdump パケットキャプチャ形式でファイルに保管され、15 分に 1 ファイルの割合でファイルが作成されます。ファイルは、ディスクの FTP 領域に 1 週間保管されます。生の BGP プロトコルイベントは、以前のバージョンと同様に保管できます。これらは、修正 MRTG 形式で保管されます。[8213]
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FTP サービスに加え、FTP 領域との間でファイルをアップロード/ダウンロードするために SFTP サーバーもサポートされます。この機能は、データベースバックアップの保管および復元だけでなく、前項に示したように、ルーティングプロトコルの生の保管済みパケットキャプチャファイルを検索するのにも役立ちます。SFTP のアクセス認証は、管理用 Web ページで設定されたユーザーアカウントに基づいて行われます。[8212]
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隣接関係の変化を示す 3 種類の警報 (Adjacency Lost 警報、Adjacency Established 警報、Adjacency Flap 警報) で、隣接状態の終端のインタフェースアドレスのほかに、ソースルーターとデスティネーションルーターの ID (通常は IP アドレス) も提供されます。[8622]
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OSI IS-IS ネットワークが IP ネットワークと同様にサポートされます。この機能には、GUI を使用して OSI ネットワーク内でパスを検出する機能、管理用 Web インタフェースを使用してレポートの作成や警報の設定を行う機能、XML RPC API を使用してネットワーク情報を照会する機能などがあります。OSI 形式と IP 形式の組み合わせが実用的ではない場合、OSI 情報の入出力が IP 情報とは別に行われます。たとえば、ES Neighbor と Prefix Neighbor は、[Tools] メニューから別々のテーブルとして表示されます。一方、[Find Router] ダイアログなどでは、IP 識別子と OSI 識別子のいずれも適宜入力できます。[6592, 8324, 8325, 8480, 8539]
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RAMS ライセンスページ の [License Update] フィールドにコピーアンドペーストされたライセンスは、受け入れの前に構文が正しいかどうかチェックされます。特に、[License Update] フィールドに複数のライセンスを入力する場合、すべてのライセンスが受け入れられるには、どのライセンスにも構文エラーがあってはなりません。[8702]
- RAMS 5.2 は、NC340T 4 ポート PCI-X オプションと NC360T 2 ポート PCI-Express オプション以外に、HP Proliant DL360 G5 および DL380 G5 プラットフォームもサポートします。[8723, 8661, 8664]
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以前は BGP ルーティングの分析用だったツールが拡張され、MPLS/BGP VPN トポロジもサポートするようになりました。これらのツールには、RIB ブラウザ、RIB の前後比較機能、イベント分析、RIB 視覚化、根本原因分析などがあります。
Traffic Analysis Add-On 5.20
RAMS Traffic Analysis Add-On 5.20 の新機能と強化された機能は次のとおりです。
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トラフィックグループ: RAMS Traffic 5.20 は、トラフィックをユーザー定義グループに分類することによって、ネットワークコアを通過するトラフィックフローをよりわかりやすく表示します。RAMS Traffic 5.20 からは、ユーザー定義のトラフィックグループに基づき、ネットワーク全体およびリンクごとのトラフィック分析を行うことができます。
ネットワーク管理者は柔軟な方法でグループを作成できます。グループのルールは、次のフィールドを組み合わせて作成できます。
- ソースまたはデスティネーションのプレフィックス。/32 ホストプレフィックスを含みます。
- プロトコル (TCP、UDP)
- ソースまたはデスティネーションのポート番号
- DSCP または TOS のマーキング
トラフィックグループは、アプリケーションまたは Class of Service ごとの特定の位置を起点または終点にするネットワークトラフィックのサブセットと一致します。トラフィッククラスが指定される場合、トラフィックグループは、IP ヘッダーの TOS ビットまたは DSCP ビットで定義される特定の Class of Service に関連付けられているトラフィックのサブセットに一致します。RAMS Traffic の配置で同時に指定できるのは TOS または DSCP のいずれかで、両方を指定することはできません。
適切なグループを定義すると、ネットワーク管理者は次の処理を実行できます。
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特定のアプリケーションサーバーを起点または終点とするトラフィック (ソース/デスティネーションプレフィックスに基づく) を追跡する。
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特定のサービス (TOS および DSCP に基づく) のトラフィックを追跡する。
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各トラフィックフローが属するアプリケーションまたは Class of Service (CoS) を確認する (レポートおよび GUI を使用)。
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トラフィックレポートの内容を、特定の問題に関連する定義済みの一部のトラフィックグループに限定する。
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利用率 (パーセントまたは bps) がトラフィックグループごとの指定のしきい値を超える (または下回る) ときの警報 (SNMP トラップ) を設定する。
- トラフィッククラス: 次の 2 種類のトラフィッククラスモードがあります。
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DSCP クラス (デフォルト): DSCP クラスは、あらかじめ定義された業界標準の値を持つ固定リストです。ユーザーは、これらの値に名前を割り当てることができます。
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TOS クラス (代替): IP ヘッダーの当初の TOS ビット定義を使用して CoS を実装したネットワークでは、RAMS Traffic を使用することで、TOS バイトの 7 ビットを自由に組み合わせてトラフィッククラスを作成できます。
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トラフィック警報: 以前のリリースでは、利用率とレートのグローバル設定に基づいて警報が生成されていました。今回のバージョンから、トラフィックグループごとに細かく警報を設定できます。すべてのトラフィックグループを対象とした警報しきい値設定では、デフォルト値が空に設定され、「無効」として表示されます。利用率 (%) またはビットレートの値を入力すると、警報機能が自動的に有効になります。警報の有効/無効の切り替えは、Web ページで行うことができます。
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Flow Collector: 管理用 Web インタフェースの Flow Collector 設定が拡張され、エクスポーターごとのサンプリングレートの設定とエクスポーターの IP 別名設定が可能になりました。IP 別名設定が必要になるのは、ルーター/スイッチのハイブリッド型装置を使用していて、エクスポートされる NetFlow パケットのソースの IP アドレスがルーターのアドレス (ルーター ID) とは異なる場合です。
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時間範囲として [Last 5 minutes] を選択した場合、トラフィックレポートに [Current Traffic] カラムが表示されます。このカラムには、現在トポロジに選択されている時間におけるリンクまたはピアリングのトラフィックの計算値が表示されます。[Traffic Groups of Flows] にドリルダウンすると、現在のトラフィック全体の構成が表示されます。[8330, 8668]
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[Traffic Reports] の [BGP Peering] の下にある [Neighbor] を選択すると [Neighbor AS Traffic] が表示され、このウィンドウの [Average Transit] カラムには、現在の AS から隣接 AS に送信されたトラフィックが正しく表示されます。[8497]
RAMS または Traffic Analysis Add-On のインストールおよび配置に関する重要な情報を次に示します。
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リリース 5.20 のデフォルトでは、アプライアンスの管理インタフェースのアドレス指定に DHCP ではなく静的アドレスが使用されます。静的アドレスを設定するか、そうでない場合は DHCP を有効にする必要があります。この作業は、シリアルコンソールで行います (詳細については、『アプライアンスセットアップガイド』を参照)。アプライアンス設定後はアドレスの維持が必要であるため、静的アドレスの設定をお勧めします。
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RAMS Traffic システムまたは分散型 RAMS システムは複数の装置で構成されています。1 台の装置をマスターとして指定します。マスターには「すべて」のライセンスを適用する必要があり、そのマスターが後でクライアント装置にライセンスを配布します。
- RAMS 5.20 とともに NNM/RAMS Integration Module を配置する予定の場合、NNM/RAMS Integration Module 5.20 を使用してください。以前のバージョンの NNM/RAMS Integration Module は、RAMS 5.20 ではサポートされていません。
次の情報は、Traffic Analysis Add-On にのみ該当します。
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初めて記録を行う場合、あるいはデータベース名の変更後初めて記録を行う場合、数分後に Flow Analyzer の再起動が必要になる場合があります。後述の「既知の問題、制限、および対処方法」を参照してください。
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NetFlow のサンプリングレートは、トラフィックレベルに合わせて適切に設定してください。小規模な ISP では、4〜16 のサンプリングレートで十分です。より規模の大きい Tier-1 ISP では、1024〜2048 のサンプリングレートが適切です。不正確になりすぎるのを防ぐために、サンプリングレートを 8096 以下に設定することをお勧めします。
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[Flow Collector Configuration] で指定した NetFlow サンプリングレートが、各エクスポートルーターに設定されたサンプリングレートと一致することを確認してください。必要に応じて、エクスポーターごとに異なるサンプリングレートを設定できます。これらの設定が一致しない場合、RAMS Traffic は、トラフィックレベルを実際よりも高く、または低く報告します。現時点では、RAMS Traffic 自身が不一致を検出する手段はありません。
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NetFlow アクティブフロータイムアウトは、長時間のフローを検出します。タイムアウト値は 15 分以下、可能であれば 1 分にすることをお勧めします。集計キャッシュを使用する場合、アクティブタイムアウトも同様に設定する必要があります。タイムアウトの値が大きすぎると、Flow Collector への NetFlow データの到達が遅くなり、集計の対象にすることができなくなります。到達が遅れたデータは削除されます。
ハードウェア要件
RAMS または Traffic Analysis をインストールする前に、システムが次の最小要件を満たすことを確認してください。
- サポート対象のハードウェアプラットフォーム
- HP ProLiant DL 360 G3、DL 360 G4、DL 360 G4p または DL 380 G4、DL360/380 G5
RAMS アプライアンスのディスク構成
重要: ディスク容量の要件と必要な耐障害性レベルを検討し、ProLiant サーバーを初めて起動する前に、使用可能な物理ドライブがすべてインストールされていることを確認してください。
RAMS は、ProLiant DL360/380 ハードウェアに設定された単一の論理ドライブのみを使用します。新しいサーバーを初めて起動するときの自動設定プロセスでは、HP Smart Array Controller にある物理ドライブがすべて使用され、単一の論理ドライブが設定されます。論理ドライブに使用されるデフォルトの RAID (耐障害性) レベルは、次に示すように、物理ドライブの数によって異なります。
- 1 台 = RAID 0
- 2 台 = RAID 1 +0 (ミラーリング。ディスクの総容量* は小さい方のディスクのサイズと同じです)
- 3 台以上 = RAID 5 (1 台をパリティに使用したストライピング。パリティドライブはディスクの総容量* に含まれません)
*使用可能なディスク容量は、報告されるディスクサイズよりも最高で 5% 少なくなります。アレイ内の各物理ドライブでは、アレイ内の最小ドライブの容量のみ使用できます。
注記: 複数のドライブを RAID 0 (ストライピング) として設定すると、ディスク容量は最大になりますが、耐障害性は確保されません。複数のドライブを設置する目的がディスク容量の最大化であり、耐障害性の確保ではない場合は、RAID 0 を設定してください。RAID 0 に設定しない場合、ドライブは自動的に RAID 1 + 0 に設定されます。
最初のハードウェアブートシーケンスの間に、上記のデフォルトの論理ドライブ設定を確認できます。デフォルトの設定を使用しない場合、ドライブ容量と必要な耐障害性レベルに基づいて論理ドライブを作成できます。ブートプロセスで表示される次のメッセージに注意してください。
Slot 0 HP Smart Array Controller
Press to run the Option ROM Configuration for Arrays Utility
Press to Accept the default configuration - 2 drives in RAID 1 +0
設定のオプションと詳細については、『HP Smart Array Controller Reference Guide』を参照してください。
重要: RAMS をインストールする前に、論理ドライブの設定が正しいことを確認してください。ドライブの追加や RAID レベルの変更など、論理ドライブの設定を変更すると、RAMS ソフトウェアのリロードと、RAMS の設定およびデータベースの復元 (バックアップから) が必要になります。
RAMS 5.20 へのアップグレード
- RAMS 5.20 では、ライセンスバージョンが更新されました。このため、RAMS の以前のバージョン (3.x および 4.x) のライセンスキーは、RAMS 5.20 用に移行する必要があります (http://webware.hp.com)。
- ソフトウェアリリース 4.x から更新する場合、データベーステーブルの構造が変更されたため、データベース名の先頭には、自動的に「Pre50X」という文字列が追加されます。以前のデータベースは引き続き表示できますが、記録には使用できません。
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4.x から 5.20 に更新した後で代替ソフトウェアおよび OS に戻すことを指定すると、アプライアンスが工場出荷時の設定にリセットされることを示す警告が表示されます。そのまま処理を進めると、記録の設定、データベース、ユーザーアカウントなどはすべて削除されます。
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新しいソフトウェアリリースに更新するときは、マスター装置を先に更新し、リブートが完了した後で、クライアント装置をリブートしてください。
今回のリリース (5.2.11-R) ですでに判明している問題は次のとおりです。
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管理用 Web インタフェースでマスター装置にクライアント装置を追加する前に、両装置に NTP の実行が設定されていることと、マスター装置に対するクライアント装置の時刻の遅れが数秒以内であることを確認してください。数秒以上の遅れがある場合、警告が表示され、クライアントは追加されません。[7870]
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システムを RAMS のマスターにする場合、または RAMS のマスターステータスを取りやめる場合、データベースの名前が変更されるため、記録を停止する必要があります。同様に、装置をクライアントとして追加する前に、記録を停止する必要があります。記録を停止しない場合、警告が表示され、処理が完了しません。[8437]
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RAMS Traffic システムを一定時間実行し、データを記録した後、新しいルーティング領域または新しい Flow Collector を追加すると、Flow Analyzer がデータベースの追加を検出します。検出後、Flow Analyzer は終了し、次の 5 分の境界で自動的に再起動します。この 5 分の境界までの間、Flow Analyzer のステータスは「stopped (停止)」になります。必要な場合は、Flow Analyzer を手動で再起動できます。自動的に再起動するまで待つこともできます。
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ルーティングデータやトラフィックデータを記録している装置をシャットダウンまたはリブートする前に、記録を停止してください。記録が停止していることを確認するには、Web ページのステータスを確認するか、GUI に表示できるステータス詳細を確認します。この確認作業により、処理中のデータやレポートを recorder デーモンが消去するための時間を確保できます。
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クライアント装置に障害が発生し、交換が必要な場合、交換用装置をマスター装置のクライアントとして追加する前に、マスター装置での複製を停止する必要があります。クライアントを追加した後で、再度複製を開始します。これで、マスター上の複製データベースは名前が変更され、交換されたクライアントのデータベースから複製が再開されます。
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トラフィックレポートのドリルダウン機能を使用すると、5 分間の時間範囲におけるフロー別レポートを表示できます。時間範囲がこれよりも長い場合、この詳細レポートは無効になります。ドリルダウン後、時間範囲を変更し、上位レベルのレポートから新しいエントリを選択すると、5 分間のフロー別レポートが正しく表示されない可能性があります。[8708]
- [Recorder Configuration] で階層を作成するとき、作成する管理ドメインに使用できない名前があります。使用できない名前は、「EIGRP」、「ISIS」、「OSPF」、「Traffic」、「TrafficReports」です。これらの語は予約されています。[8724]
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BGP トポロジの編集で設計モードが機能しない場合があります。たとえば、2 つの BGP ノード間に eBGP ピアリングセッションを追加する場合、 ダイアログの完了時にエラーメッセージが表示されます。設計モードは IGP トポロジの編集では正しく機能します。この問題は、パッチリリースで修正される予定です。BGP の編集を実行できる環境では、トポロジの経路を変更しても、マップの新しい [Network Summary] パネルの統計表示には変更が反映されません。パネルを閉じて再度開くと、値が更新されます。[8745, 8748]
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IGP の生のパケットトレースを保存できる新しい機能は、認証を有効にすると OSPF や IS-IS では実行されません。この問題は、パッチリリースで修正される予定です。[8731]
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PD-ROUTE-EXPLORER-MIB にある rexBgpVpnLostCustReachability トラップと rexBgpVpnLostRtrReachability トラップの名前と記述は、誤解を招く可能性があります。これらのトラップは、到達可能性が確立された場合だけでなく、失われた場合にも発生します。[8677]
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今回のリリースでは、改定後の夏時間スケジュールを実装するためにシステムソフトウェアが更新されました。2007 年より、3 月の第 2 日曜日から夏時間が適用されます。
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メモリリークの一部が修正されました。[8096-8102, 8113, 8142-8149]
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今回のバージョンから、40 億行以上のテーブルも処理できます。[8008]
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トラフィックグループの機能が強化されたため、チャージバックラベルが削除されました。[8034]
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数種類のトラフィックレポートテーブルの平均化機能が改善され、まれにしか発生しないケースの処理が向上しました。[8116, 8119, 8133]
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Flow Analyzer の中断およびコアダンプに対処するために修正が行われました。[8216, 8322]
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管理用 Web インタフェースの [Users] ページのレイアウト、用語、ユーザーアカウント処理が改善されました。[6772, 7452, 7967, 8037]
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Flow Analyzer が強化され、停止と再起動を行うことなく新しいデータベースを自動的に選択できます。[7681]
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GUI でイベントリストのグループ化/グループ化解除、およびソートを行うことができます。[7787]
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新しいデータベース名の制限文字数は 50 文字です。[8028]
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指定されたデータベース名が 64 文字を超えるケースをスムーズに処理できるように修正が行われました。中断されることなく、エラーメッセージが表示されます。[7976]
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管理用 Web インタフェースのメニュー項目がアルファベット順に表示されます。[7882]
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Router Count ライセンスは、集計内に Route Recorder アプライアンスの数を含めません。[7779]
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Route Analyzer は、2 つのコンポーネントに分かれています。第 1 のコンポーネントは、オンラインで作動し、警報とレポートを作成するコンポーネントであり、第 2 のコンポーネントは、XML RPC API クエリーを処理するコンポーネントです。[6108]
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[Recorder Configuration] ページのトポロジ階層の要素に表示されるポップアップメニューは、今回のバージョンから、ベースとなるノードおよびラベルの上部に常に表示されます。[6509]
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IGP レポートの作成は、計算時間を短縮するために最適化されます。今回のバージョンから、IGP レポートの大部分は、Perl スクリプトでなく C++ コードで作成されます。
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GUI 内のトラフィックエクスポーターとフローのリストは、今回のバージョンから、エクスポーターアドレスか、エクスポーターとインタフェースインデックスの組み合わせに基づいてフィルタリングできます。[7770, 7771]
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今回のバージョンから、OSPF タイプ 4 サマリー LSA で送信される ASBR 情報は、わかりやすいように「Add/Change/Drop Neighbor」ではなく「Add/Change/Drop ASBR Reachability」としてイベントテーブルに報告されます。 [7345]
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2 つの Flow Collector が同一のエクスポーターを記録するなどの各種状況において、正確性を強化するために、トラフィックレポートの準備段階でいくつかのバグが修正されました。[8315, 8667, 8686, 8701]
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RAMS または RAMS Traffic システムの複数装置間の通信で使用される一部の TCP および UDP ポートが、管理インタフェース以外のインタフェース上に存在するはずであったため、ブロックされていませんでした。[8493, 8569]
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[Set Interface Capacities] テーブルの [Area] カラムのソート機能が修正されました。[8580]
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30 秒の間に各警報のキューに入れることができるイベントの数が 120 に増えました。[8605]
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以前のバージョンでは一部の環境において、BGP プレフィックスアナウンスが、BGP トポロジでなく VPN トポロジの属性に関連付けられていました。[8640]
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以前のバージョンでは、クライアント装置でデータベースバックアップを作成すると、メタデータのデータベースが削除されていました。メタデータのデータベースは通常は空ですが、常に空とは限りません。今回のバージョンからは削除されません。[8643]
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以前のバージョンでは、Packet Design SMI と Packet Design MIB に多数のコンパイルエラーが含まれていました。このエラーは修正されました。[8703]
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今回のバージョンから、RT コミュニティのみを表示するオプション、つまり、RT (Route Target) 以外の BGP コミュニティの値を表示しないオプションが RAMS に追加されました。[7300]
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TE が有効でない IS-IS 隣接関係では、インタフェースアドレスが認識されません。2 ルーターが 1 つの /30 または /31 プレフィックスを共有している場合、そのプレフィックスが代わりに表示されます。[7508]
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メモリアロケータの最適化により、一部の大型 VPN データベースを閉じたり開いたりする際に応答が遅いという問題が解決されました。[7543, 8251]
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今回のバージョンから、プレフィックステーブルの更新後、ソート順序が維持されます。[8450]
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以前のバージョンでは、さまざまな VPN API 呼び出しで誤った vpnState を返していました。このバグは修正されました。[8687]
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BGP RIB 視覚化グラフの一部が、ルート部分でグラフから切り離されることがあります。ノード上の同じ番号 (ドット付き 10 進数または 10 進数) を探すことで、切断された部分を接続できます。[8749]
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Flow Collector を停止すると、ステータステーブルには [Down] と表示されていても、Web ページには引き続き [Stop Recording] と表示されることがあります。状態を更新するには、再度 [Stop Recording] ボタンをクリックしてください。[8752]
現在判明しているドキュメントの誤りはありません。
次の HP ソフトウェア Web サイトにアクセスしてください。
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この Web サイトには、HP OpenView のお問い合わせ先、製品、サービス、およびサポートの情報が掲載されています。
HP ソフトウェアサポート Web サイトに直接アクセスすることもできます。
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