データセンターには通常、異なるベンダーが提供する各種構成のサーバーによる異種セットアップがあります。サーバーのパフォーマンスは、CPU速度だけではなくプロセッサーアーキテクチャおよびサーバーアーキテクチャによっても異なります。HP Proliant DL 350とHP Proliant DL 380の2つのモデルのx64サーバーを備えたデータセンターを検討します。HP Proliant DL 350サーバー上で1 GHzのCPU速度を使用するアプリケーションは、HP Proliant DL 380サーバーでは1 GHzの速度を使用しない場合があります。仮想マシンホスト上への仮想マシンの配置時は、CPU速度のみではなく各種サーバーモデルの総体的なパフォーマンスの比較が不可欠です。
サーバー比較を行って最適な仮想マシン配置オプションを推奨するためには、データセンター内のサーバーのCPU速度を正規化する必要があります。SHOでは、CPU速度の正規化のためにSPECint2006Rate CPU番号が使用されます。このSPECint番号は、標準性能評価法人 (SPEC) が発表している産業標準パフォーマンスベンチマーク番号です。SPECint番号の詳細については、www.spec.org (英語サイト) を参照してください。
最適化シナリオを定義する際は、SHOを有効化してCPU速度の正規化にSPECint番号を使用することができます。SHOは、標準設定の参照ホストシステムを定義します。最適化シナリオを実施する前に、SHOに、参照ホストのCPUパフォーマンスという観点からすべての仮想マシンホストのCPU速度、およびすべての仮想マシンのGHz単位のCPU使用率が表示されます。このプロセスをCPU正規化と呼びます。サーバーのCPU速度は、参照ホストシステムのSPECint番号に対するサーバーのSPECint CPU番号を使用することで正規化されます。
仮想マシンおよび仮想マシンホストの正規化CPU速度の計算は、次のように行います。
仮想マシンホストの正規化CPU容量 (GHz単位) = (仮想マシンホストのSPEC CPU番号 / 参照ホストのSPEC CPU番号) * GHz単位のCPU容量
仮想マシンの正規化CPU使用率 (GHz単位) = (仮想マシンの現在のホストのSPEC CPU番号 / 参照ホストのSPEC CPU番号) * GHz単位のCPU使用率
仮想マシン移行の推奨および仮想マシンホストへの配置のために、正規化CPU速度が検討されます。次に仮想マシンホストの正規化CPU容量および仮想マシンの正規化CPU使用率が、最適な仮想マシン配置推奨のためにSHO仮想マシン配置エンジンに送られます。仮想マシン配置エンジンから各仮想マシンの仮想マシン配置推奨を取得後、SHOに対応する推奨仮想マシンホストのパフォーマンスという観点からCPU使用率 (GHz単位) が表示されます。このプロセスはCPU非正規化と呼び、計算は次のように行われます。
仮想マシンの非正規化CPU使用率 (GHz単位) = (参照ホストのSPEC CPU番号 / ターゲット仮想マシンホストのSPEC CPU番号) * GHz単位のCPU使用率
例
サーバーモデルXの仮想マシンホスト1上で2 GHzのCPU使用率を占めている仮想マシン1という名前の仮想マシンを検討してください。CPU速度が1 GHzの4つのコアがあります。もう1つ、サーバーモデルYの仮想マシンホスト2があり、これにもCPU速度が1 GHzの4つのコアがあります。SHOは、SPECint CPU番号を考慮して仮想マシンホスト1から仮想マシンホスト2への移行を推奨します。
SPECint CPU番号によって、仮想マシンホスト1が仮想マシンホスト2よりも10パーセント早いことが確認されます。つまり、仮想マシンホスト1上のCPU速度1GHzは仮想マシンホスト2のCPU速度1.1GHzと同等であるということが示唆されます。したがって、仮想マシン1が仮想マシンホスト1から仮想マシンホスト2に移行した場合、仮想マシンホスト2上では2.2 GHzを使用することになります。SHOは、下の図のように、この有効CPU使用率を検討して仮想マシン移行を推奨します。