QuickTest Professional 8.2
SAP® Solutions アドイン
最初にお読みくださいこのファイルでは,QuickTest Professional SAP Solutions アドインに関する次の情報について説明します。
概要
QuickTest Professional SAP Solutions アドインは,SAP AG によって認定されています。
QuickTest Professional 8.2 は,SAP Extended Computer Aided Test Tool(SAP eCATT)と統合されています。この eCATT との統合は,SAP GUI for Windows 6.20 を介して行われ,SAP Web AS 6.20 に対する動作保証の認定を受けています。SAP eCATT と Mercury QuickTest Professional を使用することにより,複雑なマルチ・プラットフォーム環境,各種の構成が高度に統合された環境,既存の独自エンタープライズ・アプリケーション環境などが含まれる Windows と SAP 環境との隔たりを超え,高品質のテストが実行できるようになります。
QuickTest では,SAP アドインをロードすることにより,SAP 用にカスタマイズされた特別なテスト・オブジェクトとメソッドを使用して,SAP アプリケーションを対象とするテストを記録し,実行できます。
QuickTest のカスタマイズされたテスト・オブジェクト,メソッド,およびプロパティを使用すれば,スクリプトの読み取り,保守,拡張,およびパラメータ化が簡単に行えるため,上級ユーザだけでなく初心者でも,次のような SAP ソリューションを使用して開発されたアプリケーションを対象とする高度なテストを作成できます。
QuickTest Professional SAP Solutions アドインのインストール方法と使用方法の詳細については,『Mercury QuickTest Professional SAP Solutions アドイン・ガイド』(オンライン・マニュアルと印刷されたマニュアルがあります)を参照してください。SAP Windows および SAP Web テスト・オブジェクトおよびメソッドの詳細と構文については「Mercury QuickTest Professional Object Model Reference」([ヘルプ]>[QuickTest Professional ヘルプ]>[Object Model Reference])を参照してください。
カスタマー・サポート
マーキュリー・インタラクティブのカスタマー・サポート・サイト (http://www.mercury.com/jp/services/support/)では,QuickTest Professional に関するお問い合わせを承っております。このサイトでサポート・リクエストの詳細を記入し,送信してください。
なお,カスタマー・サポートに直接お問い合わせいただく場合は,下記宛てにお願いいたします。
- Web サイトからの問い合わせ:E-mail: support.jp@mercury.com
- Tel: 03-5402-9360
- 受付時間: 9:30 - 18:00
(月曜日 - 金曜日。祝祭日,年末年始休暇を除く。)なお,Webサイトからのお問い合わせ,電子メールでの受付は,24時間行っています。
http://www.mercury.com/jp/services/support/
動作環境
QuickTest Professional SAP Solutions アドインを正常に動作させるためには,QuickTest Professional 8.2 の指定要件(「QuickTest Professional 8.2 最初にお読みください」を参照)と,次のアドイン固有の要件を満たすシステム構成が必要です。
必須製品: QuickTest Professional,バージョン 8.2(Web アドインを含む)。 ハード・ディスクの空き容量: 20 MB のハードディスク空き領域(QuickTest Professional のインストール分を除く)。 SAP eCATT との統合:
- サポート・パッケージ 34 以降を適用した SAP Web Application Server 6.20。
- SAP GUI for Windows クライアントのサポート対象バージョン(後の「サポートされている環境」を参照)。これは,QuickTest Professional SAP Solutions アドインの eCATT コンポーネントをインストールする前にインストールしておく必要があります。
- Unicode RFC ライブラリ(SAP クライアントのインストール時に SAP-Front End Configuration Wizard によってインストールされます)。
詳細については,『QuickTest Professional SAP Solutions アドイン・ガイド』を参照してください。サポートされている環境
必要なサーバ・バージョンとその他の設定については,『Mercury QuickTest Professional SAP Solutions アドイン・ガイド』を参照してください。
- QuickTest Professional SAP Solutions アドインは,次の SAP Web ベース・アプリケーションのバージョンを対象とするテストをサポートします。
- SAP GUI for HTML(ITS)6.10
- SAP GUI for HTML(ITS)6.20(パッチ・レベル 12 または 13)
- SAP Enterprise Portal 5.0
- SAP Enterprise Portal 6.0
注:上記の「サポートされている環境」で示したパッチ・レベルは,QuickTest Professional SAP Solutions アドインでサポートされる最低限のレベルです。これ以降のパッチ・レベルもサポートされる可能性があります。これ以降のパッチが適用されている SAP アプリケーションをテストする場合は,マーキュリー・インタラクティブのカスタマー・サポートに連絡して,QuickTest Professional SAP Solutions アドインがそのパッチ・バージョンと互換性があることを確認してください。
役に立つ情報
全般
- SAP GUI for Windows アプリケーションを対象とするテスト機能を拡張するための機能ライブラリが<QuickTest インストール・フォルダ>
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dat¥
BPT Resources に用意されています。この機能ライブラリのファイル名は,SAP.txt です。この機能ライブラリをビジネス・プロセス・テストで使用するには,このファイルを Quality Center プロジェクトに添付ファイルとしてアップロードします。SAP.txt 機能ライブラリの詳細については,『Mercury QuickTest Professional SAP Solutions アドイン・ガイド』を参照してください。ビジネス・プロセス・テストの詳細については,『Mercury Business Process Testing ユーザーズ・ガイド』を参照してください。- [記録と実行環境設定]ダイアログ・ボックスの[Windows アプリケーション]タブで,[セッション開始と共に起動されるアプリケーション]を選択し,Windows アプリケーションの一覧が空であることを確認してください。この設定により,記録セッション中に Windows アプリケーション(電子メールなど)に対して行った操作を誤って記録することや,SAP アプリケーションを対象とするテストの記録時または実行時に QuickTest によって不必要なアプリケーションが開かれることを防止できます。
- SAP eCATT 統合機能を有効にするには,SAP eCATT integration コンポーネントをインストールする必要があります。詳細については,『Mercury QuickTest Professional Solutions アドイン・ガイド』のインストールに関する項を参照してください。
SAP GUI for Windows アプリケーションのテスト
SAP GUI for Windows アプリケーションをテストする場合は,次のヒントとガイドラインを参考にしてください。
- SAP GUI for Windows アプリケーションは,SAP GUI Scripting API を使用して実行されます。この API は,特定の環境でのみサポートされます。詳細については,www.sap.com を参照してください。
- SAP GUI for Windows アプリケーションを対象とするテストを設計する場合は,最初に SAP サーバとクライアントが正しく設定されていることを次のようにして確認してください。
- QuickTest が記録するステップは,SAP Scripting API によって送信されるイベントに基づいています。したがって,QuickTest ではユーザが操作を実行するたびにステップが記録されますが,それらのステップがテストに追加されるのは API イベントが QuickTest に送信されたとき(情報が SAP サーバに送信されたとき)だけです。また,行った操作に直接対応していないステップがテストに含まれていたり,1 つの操作がテストでは複数のステップとして記録されたりする場合があります。SAP Scripting API イベントの詳細については,SAP のマニュアルを参照してください。
- SAPGuiSession テスト・オブジェクトには,現在のセッションに関する情報が含まれます。ステータス・バーに表示されるすべての情報(システム名,システム番号,現在のトランザクション,ユーザ名など)は,テスト内に SAPGuiSession テスト・オブジェクトを対象とするチェックポイントを作成することで検証できます。
SAP Web ベース・アプリケーションのテスト
- SAP アドインをロードすると,[詳細 Web オプション]ダイアログ・ボックス,[ページとフレーム オプション]ダイアログ・ボックス,および[Web イベント記録の定義]ダイアログ・ボックス内の一部の設定がアドインによって自動的に変更されます。これらの設定は SAP Web アプリケーションとの連携動作のために最適化されているため,SAP Web アプリケーションをテストしている間はこれらの設定を変更しないことをお勧めします。
また,SAP アドインがロードされているときに前記のダイアログ・ボックスのいずれかで設定を変更して[OK]をクリックすると,SAP アドインをロードしたときに自動的に変更された設定が保存され,SAP アドインなしで QuickTest を開いたときもその設定が維持されます。 しかし,通常の(SAP 以外の)Web アプリケーションを使用する場合は,これらの設定で問題が起きることがあります。
例えば,SAP アドインをロードすると,[標準 Windows マウス イベントの使用]オプション([ツール]>[オプション]>[Web]>[詳細設定]>[標準 Windows マウス イベントの使用])が選択されます。このオプションは,通常の Web アプリケーションを使用する場合は適切でない可能性があります。
解決策:Web アプリケーションを対象とするテストの記録時や実行時に問題が発生した場合は,前記のダイアログ・ボックスの設定を QuickTest の標準設定に戻してください。
- [記録と実行環境設定]ダイアログ・ボックスの[Web]タブで SAP Web ベース・アプリケーション(SAP GUI for HTML,SAP Enterprise Portal,または SAP Workplace)の URL を指定することにより,そのアプリケーションを記録セッションや実行セッションの開始時に開くように QuickTest を設定できます。
既知の問題と制限事項:SAP GUI for Windows アプリケーションのテスト
テストの記録と実行
- QuickTest を開く前に[SAP Logon]ダイアログ・ボックスを開くと,QuickTest が SAP GUI for Windows クライアント内の Web 要素に対するステップを記録および実行しない場合があります。
- QuickTest Professional SAP Solutions アドインは,SAP GUI for Windows セッションを対象とするテストを記録および実行するために,SAP Logon または SAP Logon Pad アプリケーションに接続します。デスクトップ上で SAP Logon プロセスと SAP Logon Pad プロセスの両方を使用している場合,QuickTest Professional は最後に起動されたプロセスに接続します。
- SAP GUI for Windows アプリケーションを開くように QuickTest を設定するには,[記録と実行環境設定]ダイアログ・ボックスの[SAP]タブを使用します。[Windows アプリケーション]タブは使用しないでください。
詳細については,『Mercury QuickTest Professional SAP Solutions アドイン・ガイド』を参照してください。
- セキュリティ上の理由から,SAP Scripting API ではパスワードの記録ができないようになっています。パスワード・ボックスにパスワードを入力する操作を記録すると,QuickTest によって Set ステートメントが記録され,メソッドの引数値としてアスタリスク(****)が使用されます。
解決策:記録セッション中に通常どおりパスワードを記録します。記録セッションの終了後,SetSecure メソッドを使用するようにパスワード入力のステップを変更し,暗号化されたパスワード値を入力するか,値をパラメータ化します。
詳細については,「QuickTest Professional Object Model Reference」の SAP Windows に関する項([ヘルプ]>[QuickTest Professional ヘルプ]>[Object Model Reference]>[SAP Windows])を参照してください。
- QuickTest Professional SAP Solutions アドインは,SAP GUI for Windows アプリケーションで使用されている標準の Windows ダイアログ・ボックス([ファイルを開く]ダイアログ・ボックスや[名前を付けて保存]ダイアログ・ボックスなど)を自動的に記録しません。SAP Scripting API は,これらのダイアログ・ボックスをサポートしません。これは,GuiXT とともに SAP GUI for Windows を使用した場合にも当てはまります。
解決策:これらのオブジェクトを記録するには,Standard Windows Recording モードに変更します([テスト]>[Standard Windows Recording]を選択するか,[Standard Windows Recording]ツールバー・ボタンをクリックします)。このほか,低レベル記録を使用してこれらのオブジェクトを記録する方法や,プログラム記述を使用してこれらのオブジェクトに対するステップを実行する方法もあります。
注:標準の Windows コントロールに対する操作を実行した後で[Standard Windows Recording]モードに切り替えると,場合によっては QuickTest と SAP アプリケーションが両方とも反応しなくなることがあります。これを避けるには,[Standard Windows Recording]モードへの切り替えを,必ず SAP アプリケーション内で標準の Windows コントロールを開く操作を実行する前に行ってください。
ActiveScreen の使用
- ActiveScreen のイメージは,キャプチャされた画面ビットマップに基づいています。このため,SAP GUI for Windows のビューで可視でないオブジェクトは ActiveScreen のイメージに含まれません。キャプチャされたビューに存在しないオブジェクトを ActiveScreen からスクリプトに追加することはできません。
- ActiveScreen では,ドロップダウン・メニューはキャプチャされません。ActiveScreen 技術では,メニューが閉じていてメニュー項目が選択された状態のデータがキャプチャされます。
- QuickTest Professional では,記録中に複数のステップに対して 1 つの ActiveScreen イメージがキャプチャされます。QuickTest Professional では,SAP GUI for Windows クライアントによって SAP バックエンド・サーバに情報が送信されたときだけステップが記録されます。その場合,前の通信と現在の通信の間に実行されたすべてのステップがスクリプトに追加されます。その通信のときに記録されたすべてのステップについて,サーバに送信された最後の画面が ActiveScreen によってキャプチャされます。
- SAP GUI for Windows アプリケーション内の Web 要素を対象に記録を行う場合,HTML イメージはキャプチャされません。
- SAP GUI for Windows アプリケーション内の Web 要素を対象にして記録されたステップから作成された ActiveScreen があり,([オブジェクトの表示/追加]オプションを使用するか,チェックポイントまたは出力値のステップを作成して)この ActiveScreen からオブジェクト・リポジトリにオブジェクトを追加すると,オブジェクト・リポジトリ内に不正なオブジェクト階層が生成されます。
チェックポイントの作成とオブジェクト・スパイの使用
- チェックポイントによって正しいオブジェクト・プロパティがキャプチャされるように,サーバと通信を行う結果となるステップ(Enter の押下など)を記録してから,チェックポイントまたは出力値を挿入することをお勧めします。
- 下記のコントロールを対象に,オブジェクト・スパイを使用したり,チェックポイントを作成したりすることはできません。ただし,これらのコントロールを対象とするステップの記録と実行は正しく行えます。
- 現在アクティブではない SAP 画面(開いたダイアログ・ボックスの背後にある画面など)に含まれるオブジェクトに対するチェックポイントの作成やオブジェクト・スパイの使用はサポートされていません。ただし,[ステータス バー メッセージを記録する]オプション([ツール]>[オプション]>[SAP]>[ステータス バー メッセージを記録する])を使用すれば,ステータス・バー・メッセージに対するチェックポイントを作成できます。
- テスト・オブジェクト SAPGuiCheckBox,SAPGuiComboBox,SAPGuiEdit,SAPGuiGrid,SAPGuiLabel,および SAPGuiTable の tooltip プロパティは,[Object Spy and Object Identification]ダイアログ・ボックスのプロパティ一覧から削除されました。このプロパティは,下位互換性の維持のみを目的としてサポートされています。
解決策:tooltip プロパティの値を取得するには,Object プロパティを使用します。
- 古い 6.20 のテストを 6.40 クライアントを対象に実行すると,6.40 クライアントでラジオ・ボタン,チェック・ボックス,エディット・ボックス,または通常のボタンの tooltip プロパティの値が変更されたために,これらのオブジェクトを対象とするチェックポイントが失敗する可能性があります。
- QuickTest は,テーブル・コントロール内の行数を推定することはできますが,実際に取得できるのはクライアント上で可視のテーブル・コンテンツのみであるため,正確な数を取得することはできません。可視でない行からのデータは,バックエンド・サーバにのみ格納されています。テーブル・コントロール・オブジェクトを対象とするチェックポイントを挿入または変更した場合,[行範囲の定義/変更]ダイアログ・ボックスに指定される行数が正しくない可能性があります。
- 大きなテーブルを対象とするテーブル・チェックポイントを挿入すると,処理にしばらく時間がかかる場合がありますが,QuickTest がチェックポイントに必要なデータを検索している間は,SAP GUI ウィンドウでの操作を実行しないことをお勧めします。QuickTest がチェックポイントのための情報を取得している間に,例えばトランザクションの状態を変更したり,他のウィンドウに移動したりすると,重大な問題が起きる可能性があります。
- ActiveScreen からテーブルまたはグリッドに対するチェックポイントを挿入する場合は,テーブルまたはグリッドから正しい情報を抽出できるように,SAP GUI for Windows アプリケーションで実際のテーブルを開いておく必要があります。
- 従来の QuickTest では,グリッド・コントロール内でタイトルにアイコンを含むカラムは Column "@..@" として識別されていました。QuickTest Professional SAP Solutions アドインでは,これらのカラムがカラムの位置("#index")に従って識別されます。このため,QuickTest Professional 6.0 mySAP アドインを使用して作成されたこのようなカラムに対するチェックポイントは,チェックポイントの実行時に正しく識別されずに失敗する可能性があります。
解決策:実行の更新モード([テスト]>[実行の更新])でテストを実行します。そのチェックポイントの期待結果を更新するために[チェックポイントのプロパティを更新する]を選択します。
- QuickTest Professional 8.2 SAP Solutions アドインでは checkbox タイプのセルを含むグリッド・コントロールの状態が QuickTest Professional 6.0 SAP Solutions アドインのように"X" と" " ではなく ON と OFF で識別されるため,このタイプのグリッド・コントロールを対象としたチェックポイントは失敗する場合があります。
解決策:実行の更新モード([テスト]>[実行の更新])でテストを実行します。そのチェックポイントの期待結果を更新するために[チェックポイントのプロパティを更新する]を選択します。
SAP Windows オブジェクトの使用
- ツールバー・コントロールを使用する場合は,次のガイドラインを考慮してください。
- 分離型のツールバー・コントロール(グリッドや他のオブジェクトに組み込まれていないもの)は,SapGuiToolbar テスト・オブジェクト(GuiComponentType は 202)によってサポートされます。これらは分離型のオブジェクトであるため,オブジェクト・スパイによって認識されます。
ツリー・コントロールには,関連付けられているツールバーがありません。ツリー・コントロールの最上部に表示されるツールバーは,分離型のツールバーとして認識されるため,前記のようにサポートされます。
- グリッド・コントロール内のツールバーは,SapGuiToolbar テスト・オブジェクト(GuiComponentType は 204)によってサポートされます。ただし,これらのツールバーはグリッドに組み込まれているため,オブジェクト・スパイによって認識されません。ActiveScreen から[リポジトリに追加]オプションを使用して,または[オブジェクト リポジトリ]ダイアログ・ボックスの[オブジェクトの追加]オプションを使用して,これらのツールバーをオブジェクト・リポジトリに追加することもできません。これらのツールバーをオブジェクト・リポジトリに追加できるのは,これらのツールバーを対象に記録を行った場合のみです。
- 他のコントロール内のツールバー(テキスト・エリア・コントロールなど)はサポートされていません。
- SAP ウィンドウ内の Microsoft Office コントロールはサポートされていません。
- SAPGuiTextArea オブジェクトに対する右クリック操作は,サポートされていません。
- SAP エディタ・コントロールはサポートされていません。
- SAP ガント・チャート(SAP 棒グラフ)およびイメージ/画像コントロールは,SAP GUI for Windows の代替記録メカニズムによってサポートされます。これらのコントロールのサポートは,現在のところ限定的なものです。SAP Windows テスト・オブジェクトに関する標準の記録動作は変更できます。また,他の SAP GUI for Windows オブジェクトの記録の限定的なサポートを追加することもできます。詳細については,マーキュリー・インタラクティブのカスタマー・サポートにお問い合わせください。
- SAP API の以前のバージョンに用意されていた APO グリッド用のメソッドは,今後サポートされません。このため,これらのメソッドは SAPGuiAPOGrid テスト・オブジェクトからも削除されています。
全般
- QuickTest が開いているときは,SAP GUI for Windows アプリケーション内のドラッグ・アンド・ドロップ操作は無効になります。
- SAP GUI for Windows アプリケーションに埋め込まれた HTML 要素を対象とするテストを実行すると,"Object is disabled"(オブジェクトが使用不可)エラーが発生する場合があります。これは,HTML コントロールのテスト実行の準備が整っていない場合に発生します。
解決策:テストを正常に実行するには,スクリプトに Sync ステートメント(SAPGuiSession.Sync など)または Wait ステートメントを追加します。
- 標準設定では,SAP GUI for Windows アプリケーションに埋め込まれた HTML 要素に対するステップの記録と実行は,QuickTest Professional Web アドインを使用して実行されます。場合によっては,スクリプト内の SAP Scripting API を使用する SAP アドイン・ステップの前に,Web アドインを使用して記録されたステップが挿入されます。
解決策:SAP Scripting Interface を使用して SAP GUI for Windows アプリケーションに埋め込まれた HTML 要素を記録するオプションを使用します。このためには,記録を停止し,[オプション]ダイアログ・ボックスの[SAP]タブ([ツール]>[オプション]>[SAP])の[SAPGui スクリプト インタフェースを使用して HTML 要素を記録する]チェック・ボックスを選択します。次に,テストをいったん閉じてから再び開き,記録を再開します。詳細については,『Mercury QuickTest Professional SAP Solutions アドイン・ガイド』を参照してください。
- アクションのコピーまたはアクションの呼び出しを挿入し,[アクションへの呼び出しの挿入]ダイアログ・ボックスの[パラメータ データ]セクションで[ローカルの編集可能なコピー]を選択した場合は,そのアクションのデータ・シートが QuickTest によってテストにコピーされます。ただし,呼び出されるアクションまたはコピーされたアクションに SAPGuiTable.Input ステートメント,SAPGuiGrid.Input ステートメント,または SAPGuiAPOGrid.Input ステートメントが含まれている場合,対応する入力データ・シートはそのアクションとともにデータ・テーブルにコピーされません。
解決策:Datatable.AddSheet ステートメントと Datatable.ImportSheet ステートメントを挿入して実行することにより,アクションの Input メソッドで参照されるシートをインポートします。データ・シートの名前が,対応する Input ステートメントに指定された名前と完全に一致することを確認してください。
- SAPGuiTable の Input メソッドを使用する場合は,現在のテーブルのスクロール・モードを確認してください。テーブルの現在のビューに表示される行数よりも多い行を持つデータ・テーブル・シートを使用してテーブルをパラメータ化すると,QuickTest はテストの実行中にテーブルを下方向にスクロールして,データ・シートからより多くの行を挿入しようとします。QuickTest は,テーブル内の行をスクロールさせるときに使用するキーとして,Enter キーと PageDown キーの 2 種類をサポートします。標準設定では,QuickTest Professional SAP Solutions アドインは必要な場合に PageDown キーを使用します。必要なモードは,Input メソッドの第 2 引数を使用して設定できます。
詳細については,『Mercury QuickTest Professional SAP Solutions アドイン・ガイド』を参照してください。
- SAP Enterprise Portal の環境では,テストの実行中に SAP Web 環境と SAP Windows 環境の間で切り替えを行うと,同期化の問題が発生する場合があります。
解決策:Web ステップと Windows ステップの間に,WaitProperty ステートメントまたは Wait ステートメントを追加します。
- QuickTest では,「;」文字を含む SAP ツリー・ノードに対するステップを実行できません。
他のマーキュリー・インタラクティブ製品との統合
既知の問題と制限事項:Web ベースの SAP アプリケーションのテスト
SAP Enterprise Portal
- SAP Enterprise Portal 5.0:SAPNavigationBar オブジェクト(SAP Enterprise Portal iPanel オブジェクト)を対象に実行されるチェックポイントまたはステップは,SAPNavigationBar オブジェクトが Portal フレームに隠れていて,事前に開かれていない場合,失敗する可能性があります。
解決策:ステップ・ジェネレータまたはエキスパート・ビューを使用して,テスト内の SAPNavigationBar に関連するステップの前に SAPNavigationBar.Show ステートメントを挿入します。
- SAP Enterprise Portal 5.0:SAPNavigationBar.Select ステップは,引数の最初の値がインデックス値である場合に失敗する可能性があります。例えば,SAPNavigationBar.Select ("#4;MI6 System - GUI Client Roles") というステップは,「#4」という値のために失敗する可能性があります。
- SAP Enterprise Portal 6.0 の iView オプション・メニューに対する操作やページ・タイトルバー内のオブジェクトに対する操作は,iView オブジェクトに対する SAP 操作ではなく,Frame オブジェクトに対する Web 操作として記録されます。
- 最小化または収縮した iViews は,正しく認識されない場合があります。
- テスト実行中に複数のブラウザが開かれると,QuickTest は一部のオブジェクトを正しく認識できません。
解決策:[オブジェクト リポジトリ]ダイアログ・ボックスで,Browser テスト・オブジェクトの[スマート認識を有効にする]チェック・ボックスをクリアします。また,今後のテスト記録のために,[オブジェクトの認識]ダイアログ・ボックスでも Browser テスト・オブジェクトの[スマート認識を有効にする]チェック・ボックスを無効にすることをお勧めします。
- 場合によっては,SAP Enterprise Portal 6.0 のフレームが iView オブジェクトではなく Web Frame オブジェクトとして認識されることがあります。1 つの原因は,フレーム名が動的に生成されることにあります。Web Frame オブジェクトは name プロパティを使用してオブジェクトを識別するため,記録された name の値を適切な正規表現を使用して修正することにより,テスト実行中に QuickTest がそのオブジェクトを認識できるようにする必要があります。
SAP GUI for HTML−Internet Transaction Server(ITS)
- SAP GUI for HTML アプリケーションを Windows XP 上でテストする場合は,パフォーマンスを向上させるため,Windows XP テーマではなく Windows クラシック・テーマを使用することをお勧めします。
- SAP Web テーブル内のオブジェクトを対象にオブジェクト・スパイを使用するか,またはチェックポイントを作成するとき,そのオブジェクトをクリックするまでは,そのオブジェクトは QuickTest によって(SAP Web オブジェクトではなく)WebElement として認識されます。
解決策:SAP Web テーブル・セル内のオブジェクトに対してオブジェクト・スパイを使用したりチェックポイントを作成する前に,そのオブジェクトをクリックします。
- SAP GUI for HTML テーブルのスクロール・バーのドラッグは記録されません。
解決策:SAP GUI for HTML テーブルのスクロールは,スクロール・ボタンをクリックすると記録されます。このほか,ステップ・ジェネレータまたはエキスパート・ビューを使用して,テストに SAPTable.Object.DoScroll("up") ステートメントまたは SAPTable.Object.DoScroll("down") ステートメントを挿入する方法もあります。
- ブラウザ・ウィンドウのサイズによっては,ツールバー・ボタンの外観が変わったり,ツールバー・ボタンが表示されない場合があります。
解決策:テストを記録および実行するときは,ブラウザ・ウィンドウのサイズと表示されるメニューの外観が同じになるようにします。
- SAP Enterprise Portal iView の ITS フレームを対象にテストを実行すると,ITS フレームが正しく動作しない場合があります。
解決策:iView のサイズを大きくするか,オブジェクトの同期化のタイムアウトの値を大きくするか,またはその両方を行ってから,テストを再実行します。
ActiveScreen の使用
- テストの記録中にキャプチャされた HTML ページの全体が ActiveScreen に表示されない場合があります。
解決策:ActiveScreen のサイズを HTML ページのサイズに合わせて変更します。
- SAP Enterprise Portal アプリケーションをテストする場合は,ActiveScreen のアクセスに対して高度な認証を設定することをお勧めします([テスト]>[設定]>[Web])。詳細については,『Mercury QuickTest Professional ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
- メイン・ウィンドウからオブジェクト・リポジトリにオブジェクトを追加するためのポップアップ・ダイアログが開かれたときにキャプチャされた ActiveScreen は,使用しないでください。このような ActiveScreen を使用すると,オブジェクト・リポジトリ内に不正なオブジェクト階層が生成されます。
他のテスト環境との統合
他のマーキュリー製品との統合
既知の問題と制限事項:SAP eCATT との統合
- QuickTest がスタンドアロン・モードのときに SAP eCATT からテストを実行すると,テスト実行の最後で QuickTest Professional が SAP eCATT から切断されます。
解決策:[eCATT 接続]ダイアログ・ボックスを使用して,手動で SAP eCATT に再接続します。
- SAP eCATT からデバッグ・モードで実行するように QuickTest テストを設定した場合や,REFEXT コマンドを使用して eCATT テストから QuickTest テストを呼び出した場合は,テスト実行に失敗すると eCATT の実行ログが空になることがあります。
解決策:ネットワーク上の QuickTest 結果データベースに格納されたテスト結果を参照できます。QuickTest テスト結果のネットワーク上の場所は,QuickTest の[オプション]ダイアログ・ボックスの[eCATT]タブで確認できます。
- SAP eCATT テストと QuickTest テストに同じテスト名を使用しないでください。
- QuickTest が起動時に Quality Center(以前の TestDirector)に自動的に接続するように設定されている場合,その後で SAP eCATT にも接続すると,QuickTest 内で予期しない動作が発生することがあります。
解決策:eCATT に接続する前に,Quality Center から切断します。
- QuickTest から SAP eCATT にテストを保存すると,そのテストはローカル($TMP)テストとして保存されます。別のローカルでないテストと同じ名前でバージョンが異なるテストを保存すると,ローカルでないテストがローカル・テストに変換されることがあります。
- 未保存のテストに,eCATT に格納された関連するライブラリ・ファイル,環境変数ファイル,または回復シナリオ・ファイルがあり,テストがスタンドアロン・モードで開かれているときに SAP eCATT との接続を解除すると,テストの実行中に予期しない動作が発生することがあります。
解決策:テストを SAP eCATT で保存するか,テストを実行する前に SAP eCATT との接続を解除しないようにします。
- テストを SAP eCATT から開いた場合,そのテストに他のアドインを関連付けることはできません。
解決策:QuickTest を開き,テストに関連付けるアドインをロードします。次に,QuickTest Professional から SAP eCATT に接続し(スタンドアロン・モード),テストを開きます。[テストの設定]ダイアログ・ボックスの[プロパティ]タブでテストに関連付けるアドインを選択します([テスト]>[設定]>[プロパティ]タブ>[変更]ボタン)。
- eCATT スクリプトの名前や QuickTest から eCATT にアップロードするファイルの名前には,英語以外の文字を使用しないでください。これらの名前に英語以外の文字を使用すると,エラー・メッセージが生成されます。
- QuickTest テストによって生成された英語以外の文字は,eCATT ログ内で正しく表示されません。
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