前の練習では,一連の一般的なユーザ・アクションを記録して,VuGen がこうしたアクションを仮想ユーザ・スクリプトに記録しました。これで,記録されたスクリプトを再生し,スクリプトを負荷テスト・シナリオに組み込む前に,スクリプトが正しく実行されるか検証できます。
スクリプトを再生する前に,仮想ユーザの動作を定義するスクリプトの実行環境を設定する必要があります。
この練習は,次の項目で構成されています。
LoadRunner 実行環境設定では,さまざまな種類にわたるユーザの操作や動作をエミュレートできます。たとえば,サーバの出力にすぐに応答するユーザをエミュレートすることも,作業を停止して考えてから応答するユーザをエミュレートすることもできます。また実行環境設定では,仮想ユーザが仮想ユーザ・スクリプトの中でアクションを反復する回数も指定できます。
一般的な実行環境設定と,特定の仮想ユーザ・プロトコルのみに固有の設定があります。たとえば,Web エミュレーションの場合,Firefox,Chrome,または Internet Explorer でスクリプトを再生するように仮想ユーザを設定できます。特定のプロトコルの実行環境設定については,「練習 4: 負荷テスト用仮想ユーザ・スクリプトの準備」を参照してください。この練習では,すべての仮想ユーザ・プロトコルに適用される一般的な実行環境設定についていくつか説明します。一般的な実行環境設定には,以下のようなものがあります。
注: この練習では,VuGen を使用して実行環境設定を変更する方法について説明します。以降の練習で,LoadRunner Controller を使用して実行環境設定を変更する方法について説明します。
[実行環境設定]ダイアログ・ボックスを開きます。
[再生]>[実行環境設定]をクリックします。[実行環境設定]ダイアログ・ボックスが開きます。
実行論理を設定します。
左側のペインで,[一般]の下の[実行論理]をクリックします。
[実行論理]設定では,仮想ユーザ・スクリプトの反復回数を設定できます。これは,スクリプトを再生したときの仮想ユーザ・スクリプトの Action セクションの反復回数です。
[反復回数]を 2 に設定します。
ペースを設定します。
左側のペインで,[一般]の下の[ペースの設定]をクリックします。
[ペースの設定]では,反復の間隔を制御できます。ランダムな間隔を指定します。これにより,動作間でユーザが待機する現実の設定が正確にエミュレートされます。たとえば,反復アクション間で実際のユーザが正確に 60 秒待機するとは限りません。
3 番目のラジオ・ボタンを選択し,次のように選択します。
ランダムな間隔,60.000 秒から 90.000 秒ごと。
ログを設定します。
左側のペインで,[一般]の下の[ログ]をクリックします。
[ログ]設定では,仮想ユーザ・スクリプトの実行時にログに記録する情報量を指定します。仮想ユーザ・スクリプトの作成中には,デバッグのためにいくつかのログを有効にできます。ただし,スクリプトが正しく動作することを確認したら,エラー・ログのみを有効にするか,ログを無効することもできます。
[拡張ログ]を選択し,[パラメータ置換]を有効にします。このオプションは次の練習に関係します。詳細については,次の練習で説明します。
思考遅延時間の設定を開きます。
左側のペインで,[一般]の下の[思考遅延時間]をクリックします。
思考遅延の設定は標準の[思考遅延時間を無視する]のままにします。思考遅延時間は,Controller で設定します。VuGen でスクリプトを実行する場合は,思考遅延時間が含まれないため迅速に実行される点に注意してください。
仮想ユーザ・スクリプトを記録して実行環境を設定すると,スクリプトを実行できるようになります。VuGen には,スクリプトが実行していることを示すインジケータが多数用意されています。
仮想ユーザ・スクリプトを実行するには,次の手順を実行します。
[再生]>[実行]をクリックするか,VuGen ツールバーの[再生]ボタン をクリックします。
再生の完了後,相関を検索するように求めるメッセージ・ボックスが表示される場合があります。[いいえ]をクリックします。
仮想ユーザ・スクリプトの実行が停止したら,再生のサマリを表示できます。再生のサマリは[再生のサマリ]タブに表示されます。
[再生のサマリ]タブでは,再生の間隔,再生の開始時間と終了時間など,スクリプト実行に関する基本的な情報が一覧表示されます。さらに,[再生のサマリ]タブにはスクリプト・イベントのログを表示するリンクと,スクリプト実行の詳細な結果を表示するもう 1 つのリンクがあります。
再生ログとは,スクリプトの再生中に起こったイベントのログであり,VuGen の[出力]ペインに表示されます。[出力]ペインでは再生中に起こったイベントのテキスト・サマリが色分けして表示されます。
チュートリアルの本項では,再生ログを開き,ログ内の特定のイベントおよび通知を確認します。
再生ログを表示するには,次の手順を実行します。
[出力]ペインで[再生]が選択されていることを確認してください。
「仮想ユーザ・スクリプトが開始されました」 - スクリプト実行の開始。
「反復」 - 各反復の開始および終了と,反復の回数(このテキストはオレンジ色の文字で表示されます)。
注: [出力]ペインには,成功したステップは緑で,エラーは赤で表示されます。たとえば,仮想ユーザがサーバに接続できなかった場合,[出力]ペインにはエラー・テキストが赤で表示され,エラーが発生したスクリプトの行番号が示されます。
注: [出力]ペインで行をダブルクリックすると,VuGen によって該当するステップが VuGen エディタのスクリプトで示されます。
記録したイベントを再生したら,再生結果を調べて,スクリプトの再生が成功したか確認する必要があります。何かが失敗した場合は,失敗した理由と時間を確認する必要があります。
本項では,スクリプト実行の結果を表示し,分析します。VuGen は,再生の結果を[テスト結果]ウィンドウにまとめます。
[テスト結果]ウィンドウを初めて開くと,ペインが 2 つ表示されます(左側にツリー・ペイン,右側に結果サマリ・ペイン)。
再生結果を表示するには,次の手順を実行します。
次のセクションでは,意図した Web ページに再生時にスクリプトが到達したかどうか判断するため,再生結果をドリルダウンします。
何かが失敗したことを再生結果が示している場合は,ドリルダウンを行って,失敗した箇所を特定できます。
[テスト結果]ウィンドウの[ツリー]ペインで,テスト・ツリーを展開して,各ステップの結果を個別に表示できます。[サマリ]ペインには,その反復時の再生のスナップショットが表示されます。
結果のスナップショットを表示します。
[Submit Form:login.pl]ノードをクリックします。[サマリ]ペインには,そのステップに関連付けられている再生スナップショットが表示されます。
ステップのサマリを表示します。
[サマリ]ペインには,オブジェクトまたはステップの名前,ページが正常に読み込まれたかどうかに関する詳細,結果(成功,失敗,完了,警告),ステップが実行された時間といったステップのサマリ情報が表示されます。
結果ステータスを検索します。
成功または失敗という単語がないか再生結果を検索できます。
全体的な結果サマリが再生が失敗したことを示している場合に,失敗した箇所を特定するのに役立ちます。
結果にフィルタを適用します。
[テスト ツリー]ペインにフィルタを適用して,特定の反復またはステータスを表示できます。たとえば,[失敗]ステータスのみ表示されるようにフィルタを適用できます。
[テスト結果]ウィンドウを閉じます。
[ファイル]>[終了]をクリックします。
HP Web Tours アプリケーションを操作するユーザをエミュレートした仮想ユーザ・スクリプトの再生に成功しました。「練習 3: 一般的な再生の問題の解決」に進んでください。
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