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練習 1: 仮想ユーザ・スクリプトの作成

システムで負荷を生成するには,最初に実際のユーザの振る舞いをエミュレートするために実行できる仮想ユーザ・スクリプトを作成します。仮想ユーザ・スクリプトの構築および作成には,VuGen を使用します。

この練習は,次の項目で構成されています。

Virtual User Generator(VuGen)の紹介

パフォーマンス・テスト環境において,LoadRunner は,実際のユーザを仮想ユーザ(Vuser とも呼ばれます)で置き換えます。仮想ユーザは,再現可能かつ予測可能な方法で一般的なユーザ・アクションをエミュレートして,システムに負荷を生成します。

仮想ユーザ・スクリプトを作成するには,VuGen(LoadRunner の Virtual User Generator)を使用します。VuGen では,記録して再生するという方法が使用されます。アプリケーションでビジネス・プロセスを実行すると,VuGen はアクションを記録し,こうしたアクションを仮想ユーザ・スクリプトのステップに変換します。これらの仮想ユーザ・スクリプトは,負荷テストの基礎となります。

空の仮想ユーザ・スクリプトの作成

仮想ユーザ・スクリプトを作成するには,最初に VuGen を起動し,空のスクリプトを作成します。その後,イベントを記録し,手動拡張をスクリプトに追加することによって,空のスクリプトを拡張できます。

本項では,VuGen を起動して,Web - HTTP/HTML プロトコルに基づく空の仮想ユーザ・スクリプトを作成します。

定義: プロトコルは,クライアントとサーバ間の通信方法です。
空の仮想ユーザ・スクリプトを作成するには,次の手順を実行します。
  1. [スタート]>[すべてのプログラム]>[HP Software]>[HP LoadRunner]>[VuGen]をクリックするか,デスクトップで[Virtual User Generator]ショートカット・アイコンをダブルクリックします。

    メインの HP Virtual User Generator ウィンドウが起動します。

  2. [ファイル]>[新規スクリプトおよびソリューション]をクリックするか,VuGen ツールバーの[新規スクリプトの追加]ボタン をクリックします。[新規スクリプトの作成]ダイアログ・ボックスが開きます。

  3. カテゴリ]が[シングル プロトコル]であることを確認します。VuGen では,シングルプロトコル・スクリプトで利用可能なプロトコルのリストが表示されます。
  4. 利用可能なプロトコルのリストから,[Web - HTTP/HTML]を選択して[作成]をクリックします。VuGen が空の仮想ユーザ・スクリプトを作成し,そのスクリプトを VuGen エディタに表示します。

仮想ユーザ・スクリプトの記録

仮想ユーザ・スクリプトの開発における次の手順は,実際のユーザによって実行されるアクションの記録です。前の項では,空の Web - HTTP/HTML 仮想ユーザ・スクリプトを作成しました。これで,アクションを直接スクリプトに記録できるようになりました。本項では,デンバーからロサンゼルスへのフライトを予約し,フライト日程を確認する旅行代理店のアクションを追跡します。

注: HP Web Tours アプリケーションで実行するアクションを VuGen で記録できるようにするには,[記録]>[記録オプション]をクリックします。[記録オプション]ダイアログ・ボックスで,[一般]>[スクリプト]を選択し,[スクリプト編集オプション]で[COM ローカル サーバとして作成されたプロセスを追跡する]チェック・ボックスをクリアされていることを確認します。

仮想ユーザ・スクリプトを記録するには,次の手順を実行します。

  1. HP Web Tours Web サイトで記録を開始します。

    1. 記録]>[記録]をクリックするか,VuGen ツールバーの[記録]ボタン をクリックします。[記録の開始]ダイアログ・ボックスが開きます。

    2. アクションに記録]ボックスで,[アクション]を選択します。
    3. 記録]の一覧で,[Web ブラウザ]を選択します。
    4. アプリケーション]ボックスに,Microsoft Internet Explorer が表示されていることを確認します。
    5. URL アドレス]ボックスに「http://localhost:1080/WebTours」と入力します。
    6. 記録の開始]をクリックします。新しい Web ブラウザが開き,HP Web Tours ホーム・ページが表示されます。

      注: HP Web Tours を開く際にエラーが発生した場合は,Web Tours Server が動作しているか確認します。[Start Web Server]ダイアログ・ボックスが表示された場合,サーバは動作しています。サーバを起動するには,[スタート]>[すべてのプログラム]>[HP Software]>[HP LoadRunner]>[Samples]>[Web]>[Start Web Server]を選択します。Windows 8 などのアイコンベースのデスクトップでは,「Start HP」を検索して[Start HP Web Tours Server]を結果から選択します。

      VuGen のフローティング記録ツールバーが開きます。

  2. HP Web Tours にログインします。

    1. 次の情報を入力します。

      - ユーザ名: jojo

      - パスワード: bean

    1. 左側のペインで[Login]をクリックします。HP Web Tours のようこそページが表示されます。
  3. フライトの詳細を入力します。

    1. Flights]をクリックします。[Find Flight]ページが開きます。

    2. Departure City]で[Denver](標準設定)を選択します。

    3. Departure Date]: 標準設定のままとします。

    4. Arrival City]で[Los Angeles]を選択します。

    5. Return Date]: 標準設定のままとします。

    6. Seating Preference]で[Aisle]を選択します。

    7. その他の設定については標準の設定をそのまま受け入れて[Continue]をクリックします。[Find Flight]ページが開きます。
  4. フライトを選択します。

    標準のフライト設定をそのまま受け入れて[Continue]をクリックします。[Payment Details]ページが開きます。

  5. 支払い情報を入力し,フライトを予約します。

    1. Credit Card]ボックスで「12345678」と入力します。

    2. Exp Date]ボックスで「06/14」と入力します。
    3. Continue]をクリックします。[Invoice]ページが開き,インボイスが表示されます。
  6. 左側のペインで[Itinerary]をクリックします。[Itinerary]ページが開きます。

  7. 左側のペインで[Sign Off]をクリックします。

  8. ブラウザを閉じてから,VuGen フローティング・ツールバーの[記録停止]ボタン をクリックして,記録プロセスを停止します。

    VuGen は必要なコードを生成し,そのコードを仮想ユーザ・スクリプトに挿入します。

    デザイン・スタジオが起動した場合,[閉じる]をクリックしてデザイン・スタジオを閉じます。

  9. 仮想ユーザ・スクリプトを保存します。
    1. ファイル]>[名前を付けてスクリプトを保存]を選択します。
    2. <LoadRunner のインストール先フォルダ>\tutorial に移動し,「Scripts」という名前の新しいフォルダを作成します。その新しい「Scripts」フォルダに移動します。
    3. ファイル名]ボックスに「basic_tutorial」と入力します。
    4. 保存]をクリックします。VuGen によってスクリプトが保存され,VuGen タイトル・バーにスクリプト名が表示されます。

仮想ユーザ・スクリプトの表示

前の項では,ログイン,フライト予約,日程の確認,ログオフといった旅行代理店によるアクションを記録しました。VuGen には,[記録の開始]ボタンをクリックしてから[記録停止]ボタンをクリックするまでのステップが記録されました。

これで,VuGen を使用してスクリプトを表示できます。VuGen では,仮想ユーザ・スクリプトをさまざまな形式で表示できます。

次の練習について

これで,基本となる仮想ユーザ・スクリプトの記録および表示の学習が終了し,「練習 2: 仮想ユーザ・スクリプトの再生」に進む準備ができました。


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